過日、「Northern Blue」の初めてのイベントが秋田の空の玄関口、秋田空港にて開催されました。

ありがたいことにたくさんの反響をいただいた写真とアクセサリーの展示会。

このページはその記録です。

 


 

 

「Northern Blue Photograph Exhibition」

 

〔会期〕2024年8月19日(月)~9月1日(日)

〔会場〕秋田空港 国内線2F にぎわい広場

〒010-1211 秋田県秋田市雄和椿川字山籠49 TEL:018-886-3366

 

〔同時開催〕「Northern Blue アクセサリー展示販売会」

秋田空港国内線2F 秋田空港おみやげ広場「あ・えーる」内特設ブース 

 

白岩焼和兵衛窯 渡邊葵 @aoiw.w.w

Model/Chinami @uzrntm5

Photographer/Kei @kkk4owmjtg

Northern Blue @northernblue_akita 

 

“Northern Blue Photo Exhibition”

 

[Duration]

Mon, August 19 – Sun, September 1, 2024

[Venue]

Nigiwai Plaza in Akita Airport Domestic Terminal 2F

49 Aza Yamago, Yuwa Tsubakigawa, Akita City, Akita Prefecture 010-1211 Japan

TEL: 018-886-3366

 

[Concurrent Events]

“Northern Blue” Accessory Sales Fair at "A-ERU," Akita Airport souvenir shop, Domestic Terminal 2F

 

“Northern Blue" is a ceramic accessory brand which embodies the traditions, techniques, and heart of “Shiraiwa Pottery”. Shiraiwa Pottery began during the Edo period in Akita, the northern part of Japan. The concept of "Northern Blue" is, "accessories delivered by the beautiful people, things, and nature of Akita.” As a jewelry designer, I have spent the last year shooting key visuals with our model, Chinami and photographer, Kei.

 

Akita, the location of the shoot, is a northern prefecture whose natural beauty stands out in each season. Even if it seems foreign to your eyes, it will still somehow feel like a nostalgic and beautiful memory.

 

This photo exhibition will be held at the gateway to the sky in Akita when the grains of rice grow large. We hope you will come and see it.

 

 

 

以下はフォトグラファーKeiさんによる「私的秋田県南案内のしおり」とも言えるもの。

美しい写真と共に素敵な文章をお楽しみください。

 

 

「秋田のひと、もの、こと、と共にお届けするアクセサリー」白岩焼アクセサリー「Northern Blue」の写真展を秋田の空の玄関口秋田空港で開催する運びとなりました。秋田生まれ、秋田育ちのアクセサリーを旅の道連れに、秋田を一緒に旅してみませんか?この写真展がご覧いただいた皆様にとりまして素敵な旅のしおりになれますように。

 

( Photo & Guide & Text by Kei)  

 

 

①旧本郷家住宅 大仙市角間川 2022年6月

 

国登録有形文化財。

築100年以上となる主屋で撮影しました。窓枠の模様に洋の要素が感じられます。

 

縁側からは千秋公園の設計を手掛けた長岡安平の庭園が見られます。少しずつ緑が色濃く映り出し、初夏の風が心地好い建造物です。

 

「Northern Blue」のホームページ用に撮影した写真ではありませんでしたが、モデルのちなみさんがアクセサリーを身につけ、SNSで葵さんのアカウントをタグ付けしたことで、いわば、「Northern Blue」の物語の序章〈プロローグ〉となった写真です。

 

全ては、ここから始まったと言っても過言ではないほど、大切な一枚になりました。 

 

 


 

②旧石黒恵家 仙北市角館 2023年2月 

 

1935(昭和10)年に設計・建築された住宅で武家屋敷石黒家の分家にあたります。

在来の和風住宅に西洋間を加えた和洋折衷の建築で、江戸時代からの角館の住宅変遷の歴史を伝えています。

 

のちに「Northern Blue」のキーヴィジュアルとなった場所であり、初めて撮影した場所であり、ロケーションハンティングや取材を重ねました。旧石黒恵家の特徴は斜めのデザインを多用していること。明り取りの窓も他に類を見ない珍しい作りで、伝統的な日本建築に洋の要素、昭和初期に流行したデザインが取り入れられています。

 

「Northern Blue」は冬から春にうつりかわる季節の一瞬を小さな陶器のパーツに映しとったアクセサリー。「秋田の冬」を想起させるような雪が降り積もった2月に撮影しました。赤い番傘の写真は「これぞ、日本」が全面に出ています。番傘の赤と、アクセサリーの青のコントラストも絶妙。何より、モデルのちなみさんの美しさに息をのみました(寒いなか、本当にありがとうございました・・・!)

 

屋内での撮影は、丸窓が印象的な大広間にて、ちなみさんが身につけている「ユキニツキ」シリーズと丸窓のデザインがリンクしました。月を思わせるようなデザイン、そして雪明り、まさに「ユキニツキ」ではないか・・・。

 

思い入れが強すぎて長文になりそうなので、このあたりで止めます。アクセサリー、ちなみさん、ロケーションが一体になった奇跡。また何かの機会があれば、お話したいと思います。

 

 

 

③上ノ台堤 仙北市角館 2023年4月

 

東北三大窯地の一つだった白岩の地には、良質な陶土が採れる場所が豊富にありました。この上ノ台堤も、白岩焼の職人たちが掘り続け、いつしか窪地になった場所。春には桜、秋には紅葉が水面に映えます。若木も植えられ、白岩地域の皆さんの手で整備されています。

 

 撮影日は桜が満開となり、見頃を迎えた頃でしたが、あいにくの雨天。過酷な気象条件下にありながらそのことでかえって”白岩焼の聖地”の雰囲気漂う背景で撮影することができました。

 

 

 

④坂本東嶽邸 美郷町千畑 2023年9月

 

美郷町指定文化財。

衆議院議員をつとめ、地方農村の振興・発展に尽力した坂本東嶽の邸宅で撮影した一枚。1896(明治29)年の陸羽地震後に整備された庭は、京都の庭師が築庭した姿でほぼ現在に至っているそうです。

 

9月になったとはいえ、まだ暑さの厳しい日。庭一面の苔は青々として目にも鮮やか。ちなみさんが「おばあちゃんの家にいるみたい」とゆっくり足を伸ばしてくつろぐ姿が印象に残っています。時間がたつのも忘れるぐらい、のんびり過ごしたいとき、ここで一息つくのも秋田県南旅の醍醐味です。

 

 

 

⑤田代の稲架掛け 羽後町田代 2023年9月

 

黄金色に輝く稲穂。木材などを組んで作った「稲架(はさ)」に刈り取った稲を束ね掛け、天日で乾燥させる稲架掛けの風景は秋田県内でもなかなか見る機会が少なくなってきています。

 

羽後町田代地区は、〝秋田の原風景″が残る場所。かつて道路を覆うほどの稲架で埋め尽くされていたそうです。地域の象徴であるこの風景を守りたいと一念発起した人や、その思いに呼応した人がこの田代の地に集まっています。

 

白岩焼の釉薬の原料に「あきたこまち」の籾がらが使われていることから、稲作文化と秋田は切っても切り離すことができないものなのだと実感した撮影でした。

 

 

 

⑥旧池田氏庭園 大仙市高梨 2023年11月

 

国指定名勝。

東北三大地主の一人、池田氏。その庭園の敷地面積は42000㎡あり、こちらも1896(明治29)年の陸羽地震を契機に長岡安平の協力を得て大正時代までに整備されました。

 

11月になると、椛や楓などなど、煌々と燃えるような紅葉に覆われます。撮影したポイントは、雪見灯籠や洋館がある所から少し離れた場所になり、銀杏の黄葉が「Northern Blue」の特徴である海鼠釉の青を引き立てます。